MALLイベント「地に足つけてグローバル人材育成を語ろう」が終わった!

2/8(金)、経営学習研究所(通称MALL)のイベント、「地に足をつけて、グローバル人材育成を語ろうー現役のグローバルマネージャーのリアルな体験からー」が終わりました!

ゲストに、HOYA株式会社のCIO(最高情報責任者)の近安理夫(ちかやす よしお)さんをお招きし、ご経験をお話しいただきました。「グローバル人材」にご関心のある方や「地に足をつけて」という部分にひっかかったという方など、63名の方々にご参加いただきました。

MALLでは8人の理事たちが「一人一ラボ」をコンセプトに、それぞれの関心があることをテーマにラボを立ち上げています。このイベントは、外国人と日本人が共に集い対話する機会をつくっていきたいという島田さんの「Communication & culture Lab」と、これからの時代の働くスタイル、学びのスタイルについて考えていく私の「Style Lab.」のコラボ企画でした。

グローバルに働く、外国の方と共に働くということがもう当たり前とも言える現在、「グローバル人材」というものをもっとリアルに語り合う場を作りたいと考えました。海外を飛び回り働く友人から話を聞いていると、なんともエキサイティングな驚くような経験をしていて、おそらくグローバルに働く皆さん一人一人にそんなストーリーがあると思うのですが、その人たちを総称して「グローバル人材」と呼んだ瞬間、それが見えなくなってしまうように個人的に感じていました。それが、私たちMALLが「地に足をつけてグローバル人材としての実践を語りませんか」という問いかけをするに至った背景です。

 

島田さんと私からご挨拶の後、まずは私から、このイベントが一方的に「聞いて、帰る」ものではなく参加型であることをお話して、さっそく、会場の皆様に手を挙げていただきました。

まずは、「海外で働いている方、外国の方と一緒に働いている方、海外で働いた経験がある方、グローバル人材育成に関わっている方」(重複しても構いません)という質問。これには、皆さんどれかが該当されたようで、会場のほとんどの方の手が挙がりました。

次に、「自分はグローバル人材だ、という方?」と聞いてみました。なんと、手が挙がったのはゲストの近安さんと会場のお一人だけ!「遠慮なさらずに…」と言うと2,3人に(笑)。

ご参加いただいた皆様の参加動機を拝見しても、「グローバル人材とはそもそも何か、もっと議論が必要」という声も多く、現在進行形で「グローバルに働く」ということに関わっている方々にとっても、「グローバル人材」っていったい何なのか、更には「グローバル人材育成」とはどんな人を育てることなのか、ということに対してまだまだ語ることが残されていることが伺えます。

…ということが見た目に明らかになったということで(笑)、さっそく、近安さんにバトンタッチ。「グローバル人材としてのcapability 結局何が必要なんだろう」というタイトルでお話いただきました。

近安さんは、新卒で入社されてから20年をアクセンチュアで過ごされ、2010年からHOYAに移られました。これまでのご経験を、ステージ1(20代):個人として、ステージ2(30代):管理者・マネージャーとして、ステージ3(40代):組織リーダーとして、という3つのステージに分けてお話してくださいました。

ステージ1では、まずシカゴでの1ヶ月のトレーニングを経験。“Give and Take”の世界の中で、当時の近安さんには”Give”するもの、そしてその表現方法がなく落ちこぼれてしまったそうです。その後東京に戻り、OJTで鍛えられることに。書類のつくり方にいたるまでグローバルに統一された組織の中で、つくった書類に対して嫌になるくらいのレビューを受け続ける毎日を通して、ビジネスの基礎体力を身につけました。そして訪れた初めての海外アサイン(韓国)。語学はどんなに努力しても100%にはならないという前提のもと、足りない部分は、見れば全てがわかる資料や徹底した分析に基づいた理論、説得のための事例やストーリーによって補いました。どこに行っても通用する普遍的なcapabilityがモノを言うということに気づかれたのは、この経験からでした。

ステージ2では、マネージャーとして日本人の若手10名を引き連れ二度目の海外アサイン(ヒューストン)を経験。この時近安さんには、ステージ1での自身の失敗体験をふまえ、しっかり若手を鍛え、日本レベルで通用する仕事の仕方を身につけさせるという使命がありました。というのも、アメリカでの働き方に慣れてしまうと、帰国後に日本のお客さんの厳しさに耐えられず辞めてしまう若手が当時多かったため。そのご経験から、若手の海外アサインには、当時のご自身のような「鬼軍曹」が必要だと仰っています。

ステージ3では、300名を超える組織のリーダーとなり、欧米式のアプローチをそのまま日本に導入せざるを得ない矛盾を感じる一方、社内やクライアントに対してはグローバリゼーションについて指南するという立場に立つことに。こんな状況に対して近安さんがとった方法は、自身の中に、日本人のもつアイデンティティという側面と、グローバル経験・理解を持つ人としての側面との両面をつくることでした。

こうして3つのステージを経験し、個人としてレビューとフィードバックにより「基礎体力」を身につけ、マネージャーとしては、自らが「鬼軍曹」となって若手を育成。そして現在、組織リーダーとして、これまでの経験の全てを総動員しつつ、個人として信用・興味を持ってもらえるよう自己アイデンティティを強化するというフェーズにいると言います。

ここまで30分にわたって近安さんのリアルなご経験をお話いただいた後、バータイムを挟みます。

ネットワーキング、感想のシェアなど盛り上がる中、続いて島田さんによる「アカデミックリフレクション」が始まります。近安さんのご経験を、Kolbの経験学習モデルをもとに紐解いていきます。

具体的経験→内省的観察→抽象的概念化→能動的実験→…という経験学習サイクルの各段階に必要となる学習スキルを、順に、対人関係スキル・情報スキル・分析スキル・行動スキルと説明し、その学習スキルを異文化学習に必要な能力、特性へと結びつけます。近安さんがどの段階のご経験からどのスキルを身につけられたのか、ということを分析していきました。

具体的経験=対人関係スキル=関係構築、異なる文化を持つ人の尊重

内省的観察=情報スキル=傾聴と観察、曖昧さへの対応

抽象的概念化=分析スキル=複雑な情報の解釈

能動的実験=行動スキル=率先して行動する、他者のマネジメント

(田中さんの表現が見やすかったのでお借りしました!)

 

続いてグループごとにダイアローグの時間です。お酒と軽食を片手に、参加者の皆さんご自身の「地に足のついた」体験談で各グループ盛り上がっていました。

そして最後は、ゲストの近安さん、中原代表理事、田中理事、長岡理事によるセッション。全員お酒を片手に登壇され(笑)、真剣な議論の中にも度々会場の笑いを誘っていました。

中原理事の進行で、まずは長岡理事から「英語力は100%にはならないという前提に立つということが、まさに”地に足をつけて”ということなんじゃないか」。それを受けて近安さんからは「イタリアに渡ったサッカーの長友選手がお辞儀をするように、言葉が100%ではない前提にたったうえで日本人としてきちんとポジショニングをしていくべきだ」。

更にそれを受け、田中理事からはグループでのダイアローグで参加者の方から聞いたというお話が紹介されました。外国人の方と一緒にディスカッションした際、あまり積極的に発言ができなかったその方は、まとめ役に抜擢され、うまくその役割を果たすことができたそうです。島田さんから紹介があった「傾聴」の姿勢など、日本人のポジショニングという意味でも可能性が充分にあるだろうというお話になりました。

続いて中原代表理事からは、それぞれの国の人がそれぞれの背景を持ちポジショニングをしているのだとしたら、そもそも「グローバル人材」などいるのだろうか、という問いかけがありました。

続いて、会場からの質問を交えつつ、話題は「育成」へと移っていきます。

長岡理事から、日本では「グローバル人材である」ということと「優秀である」ということが同じ軸で語られているのではないか。冒頭、自身がグローバル人材だと思うかという質問に手が挙がらなかったのはそういうことなのではないかというのです。なるほど!

中原理事からはそれに加えてもう一つの軸として世代論について。「グローバル人材育成」と言ったときに指すのは主に20代、30代。一方、若者にグローバルになれと言うならそれを支える上の世代もグローバルでなければ難しい。それが対話不能な状態を生んでいるのではないかというお話でした。

再び長岡理事から、近安さんのご経験に立ち戻ったこんなご意見。「シカゴでの最初の経験が役に立たなかったが帰国後のOJTでなんとなかなった、というのは近安さんの才能と少人数で徹底的に育てる仕組みがあったからであり、我々人事に関わる人たちは、シカゴでの経験がうまくいかなかったという部分をシリアスに考えなければいけない。」

最後に話題は留学生の日本での採用へと展開し、留学生が日本の組織にどのように適応していくかという研究をされている島田理事からは「留学生を採用していくにあたり、留学生に対して、日本で働く意味、日本で働いてどんなスキルが身に付くのかという意味付けをしていくことが大事」というお話がありました。

そんな盛りだくさんな内容で、最後のセッションも終了となりました!

(長い長いレポートにおつきあいいただきありがとうございました。)

 

最後になりましたが、ご参加いただいた皆様、ゲストの近安理夫さん、会場に関する全ての面でご協力いただいた株式会社内田洋行の宇多様、たくさんのおいしいお菓子を提供してくださった三幸製菓様、受付やバーコーナー、誘導、写真撮影など手伝ってくださった学生・OGスタッフの皆様、そして様々な面でご協力いただいた理事の皆様、ありがとうございました。

 

 

何人かの方がこのイベントについて感想を書いてくださっています!ありがとうございます!

ご参加いただいたKatsuwoさんのブログ

予定外の登壇をしてくださった田中理事のブログ

スタッフをしてくれた山根君のブログ



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